昨今の電気代高騰に関しては、様々なメディアで取り上げられており、特に冬の自宅の電気代を見て驚いている方が多いのではないかと思います。
日々電気を使って暮らす以上、この問題は避けて通れないと思いますが、少しでも電気代を下げるために工夫できることを考えてみてはいかがでしょうか?
この記事では、住宅用の蓄電池についてご紹介したいと思います。導入検討の参考になれば幸いです。
大手電力会社の電気代値上げ
各社規制料金値上げ申請を発表
昨年から今年の1月にかけて、大手電力会社が続々と規制料金の発表をしています。
これまでに規制料金の申請を発表を行った電力会社は、北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力です。
値上げ幅は電力会社によって様々ですが、現行料金に対して30%ぐらい値上げ申請を行っている印象です。現状、一番高いところでは平均45.84%の規制料金の値上げが予定されています。
自由料金も合わせて値上げを発表
自由料金は規制料金とは異なり、電力会社が比較的自由に電力単価を決められる料金で、規制料金のように国への値上げ申請は必要ありません。
電気代の料金には天然ガスや原油等の価格により毎月変動する「燃料費調整額」というのが設定されていますが、規制料金では、「燃料費調整額」に上限が決められていて、それ以上は上がらないようになっていますが、自由料金では「燃料費調整額」に上限を設ける必要がなく、元々上限を決めていた電力会社も次々と上限を撤廃している状況で、電気代負担も大きくなっています。
電気代値上げのオール電化への影響
オール電化住宅は電気代高騰の影響を受けやすい
オール電化住宅の場合、ガスを使わないため、住宅内の電気への依存度が100%になります。オール電化住宅の場合、オール電化向けのプランが設定されている自由料金を選択されている方が多いと思いますが、上限が設けられていない「燃料費調整額」の上昇が毎月の家計の支出に大きく影響していると思います。
オール電化住宅で電気代を減らすには?
電気代を減らす方法
電気代が高騰する中で少しでも電気代を減らすためには、以下の方法が考えられます。
オール電化住宅で電気代を減らす方法
- 使う電気を減らす「省エネ」
- 太陽光発電で自宅で発電した電気を使う
- 単価が安い時間帯に電気を使う
- 蓄電池で安い電気を貯めて使う
使う電気を減らす「省エネ」
使う電気を減らす省エネに関しては、説明は不要かもしれません。出来るだけ無駄づかいを減らすことはもちろん、古い家電を買い替えることでも節電につながる場合があります。
古い家電の買い替えの際におすすめなのが、「省エネ型製品情報サイト」です。今お使いの家電がどのぐらい消費電力を消費しているのか買い替えるとどのぐらい変わるのかを見るのに参考になります。
太陽光発電で自宅で発電した電気を使う
太陽光発電に関しても、今はわりと一般的になりつつあり、太陽光発電設備を自宅に搭載している方も増えてきていると思います。発電して余った電気を一定期間固定価格で電力会社が買い取ってもらえる仕組み(FIT制度)などがあったり、省エネでかつ太陽光発電を搭載した住宅を支援するZEH補助金などもあり、国や自治体などが積極的に太陽光発電の導入を進めています。
単価が安い時間帯に電気を使う
オール電化住宅の場合、オール電化向けの電気料金プランを選択するケースが多いと思います。おおよそすべてのオール電化向けプランに共通して言えることとして、時間帯毎に単価が異なるプランになっています。中でも夜間が比較的安く、昼間が高いプランが多いです。
以下は、2023年6月に改定予定の東京電力のスマートライフLのプランです。時間帯が分かれていて単価が異なることがわかると思います。
料金 | スマートライフL | |
---|---|---|
電力量料金 | 6:00~1:00 | 40.76円/kWh |
1:00~6:00 | 30.81円/kWh | |
基本料金(10kVAの場合) | 2,860円 |
オール電化プランを選択した方にとっては当たり前ですが、エコキュートといった電気を使う給湯設備は夜間の単価が安い時間帯にわき上げを行うことで電気代をなるべく安く済ませることが出来るようになっています。
その他、家電設備も時間帯を気にして出来るだけ安い時間帯に使った方がオトクになるので、例えば昼間動かしていたロボット掃除機を夜間の寝る前に動かしたり、食洗器を夜間に動かすといった工夫でも電気代が変わってくると思います。
また、特に太陽光発電の固定価格買取期間が終了した場合は、売電単価が安くなり、電気代単価を下回る可能性があります。売っても高くはならないなら発電している時間帯にできるだけ自宅で電気を使うことで、電気代を節約することも考えられます。
なお最近、自宅を建ててソーラーを設置した方だと売電単価が太陽光発電10kW未満だと17円/kWh(2022年度)なので、既に電気代の単価を下回ってるかもしれません。そういった場合にも売らずに自宅でなるべく使うことが節約になる場合があります。
蓄電池で安い電気を貯めて使う
前述した「単価が安い時間帯に使う」という方法は、実際に暮らしてみるとなかなか難しいと思います。そんな時、蓄電池があれば、例えば、夜間の安い単価の電気を貯めたり、太陽光発電で発電した電気を売らずに貯めたりといったことを自動的に行ってくれて便利で光熱費の節約になります。
蓄電池自体がまだまだ高価ではありますが、電気代節約する他に、台風や地震などにより、万が一停電が発生した際に使うことが出来る安心にもつながります。
以下のサイトでは蓄電池の見積もりを無料で行なえますので、気になる方はチェックしてみてください。
住宅用蓄電池とは?
住宅用蓄電池には、大別すると系統連系タイプとポータブルタイプの2種類があります。
系統連系タイプは、蓄電池を自宅の分電盤に繋ぎ、電力会社から電気を供給できるようにするものです。系統連系タイプを自宅に設置するには、蓄電池の設置工事に加えて、これを繋ぐための配電工事が必要になります。
一方でポータブル蓄電池というのもあります。こちらは比較的手軽に導入できるのが特徴です。蓄電池への充電はコンセントへ接続することにより可能であり、系統連系タイプのように特別な工事を必要としません。
ポータブルタイプは、停電時の備えとして使用することを目的としていて、ポータブルで持ち運びのしやすいものが多く、蓄電池容量も小さいものが多いです。
系統連系タイプは蓄電池が大容量であり、停電時だけではなく、普段も例えば太陽光発電で発電した電気を充電して使うことなどができます。
最近の電気代高騰に対して、蓄電池を活用することを考えるとしたら系統連系タイプの方が適切です。
本記事では、系統連系タイプを中心に記載しています。
蓄電池の見るべきポイント
蓄電池容量
蓄電池の容量はどの程度の電力を蓄えることが出来るかを示します。使用する家電の数や使用する時間などを考慮して適切な容量を選ぶようにしましょう。
パワーコンディショナーの出力
パワーコンディショナーは、蓄電池から電気を出し入れするために必要です。パワーコンディショナーによって、出力が異なります。出力によって同時に出し入れできる量が変わります。つまり同時に使える家電の数が変わってきます。
蓄電池のサイズ
蓄電池のサイズは一般的に蓄電池の容量に比例して大きくなります。大容量の方が比較的サイズも大きくなります。
全負荷型と特定負荷型
蓄電池の停電時に使用できる範囲は負荷型で決まります。全負荷型の場合は、停電時でも家中の電気を使えます。特定負荷型の場合は、事前に決められた負荷のみ使用できます。
蓄電池の種類により、全負荷型か特定負荷型か決まる場合があり、一般的に全負荷型は蓄電池容量が大きいタイプに多いです。全負荷型は家中に電気を供給するので、必然的に消費電力が多くなりやすくなります。そのため、大容量の蓄電池が適してます。
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