これから新築でマイホームを建てようとしている方は、住宅展示場やホームページなどを調べられていると思いますが、
検討されている中で一度は見たり、聞いたりされている方が多いのではないかと思います。「太陽光発電」について解説します。
最近では東京都が、太陽光発電の設置を義務化するなど、改めて話題になっていますが、今、ソーラー付きの住宅を建てることがおトクかどうか、購入前に考えておきましょう。
ソーラー付き住宅のメリット
ソーラー付き住宅のメリットは大きくは以下のように考えています。
ソーラー住宅のメリット
- 余剰電力を売って売電収入を得ること【メイン】
- 自家消費をして電気代を下げること【実は重要】
- 非常時の電源として使用すること
たくさん売って売電収入を稼ぐ
ソーラー住宅を建てる方の大半は何といっても売電収入を得ることを目的にしていると思います。それを可能にするのが10年ほど前から始まった固定価格買取制度(FIT制度)であります。
この制度は、家で発電して余った電力(余剰電力)を電力会社が固定価格で買い取る仕組みです。これにより、高額な発電設備を購入するハードルが大きく下がり、ソーラー住宅を建てる人が増え始めました。
出来るだけ自家消費(自宅で電気を使って)電気代を抑えること【重要】
太陽光発電のメリットはたくさん売電することに目が行きがちですが、太陽光発電をたくさん売ってメリットが大きかったのは実はもう過去の話です。詳しくは、次節で解説しますが、売電単価は年々下がっています。それよりも大事になってきているのが、電気を買わずに電気代を抑えることです。
最近の電気代高騰の影響で買う電気の価格が全国的に大きく上がってきています。その電気を買わずに太陽光発電で賄うことが非常に大事になってきています。
上記は簡単なイメージ図ですが、太陽光発電は全てを売電するのではなく、自宅でまずは使っている電気を太陽光発電の電気を使ってまかない(自家消費)してさらに余った電気を売電します。太陽光発電が発電している時間帯に夕方や夜中に使う予定だったもの(例えば、食洗器など)を使えば電気代の節約になります。これから太陽光発電を設置される方は、このことも念頭に置いておいた方が良いと思います。
いくらで買い取ってもらえるの?
話を売電の話に戻したいと思います。
現在の太陽光発電買取価格
2022年3月25日に2022年度と2023年度の太陽光発電買取価格が決定しました。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
10kW未満 | 19円/kWh | 17円/kWh | 16円/kWh |
太陽光発電価格は当初は48円/kWhでした買取価格は年々下がっています。
その理由は、この金額は調達価格等算定委員会という経済産業省の委員会で決めており、平均的なソーラーの発電設備の価格の低下していると判断し、買取単価を下げています。
どのぐらいの期間買い取ってくれるの?
太陽光発電の容量(kW)によって変わりますが、一般的な住宅(10kW)未満であれば、10年間固定で買取してくれます。10年経った後は、最初の10年よりも単価が下がり、毎年単価が変動する場合があります。
例えば、東京電力の場合は以下のようになっています。
発電した電気はどのように売れるの?
最初の契約が済んだら、発電した電気をどう売るか都度考える必要はなく、日々自動的に売却されます。発電した電気を全て売るのではなく、自宅で必要な分があれば、発電した電気でまかない、余った電気を自動で売却します。
実際のところ、売電収入で儲かるの?
実際、ここまでの説明を聞いて本当に儲かるのかが気になるところですね。
これは、
- 最初の太陽光発電設備費用
- 売電収入金額(10年分)→余剰電力を売った金額
- 自家消費金額(10年分)→自家消費で電気代を下げられた分の金額
この3つの金額を求めて計算する必要があります。
設備費用<ソーラーメリット(売電収入+自家消費)
住宅展示場に行った際に上記を確認できれば、簡単です。
メーカーによっては光熱費の試算などを出してもらえるかもしれません。
その際に、 ”ソーラー付き住宅を建てた場合” と ”ソーラーなしの普通の住宅を建てた場合”の試算を両方出してもらえれば、その差がソーラーメリットになります。
ソーラーメリットがわからない場合
ソーラーの発電量が1kWあたり年間1000kWhとした場合、
8割が売電 2割が自家消費とすると
売電量:800kWh × 2022年度買取価格:17円/kWh = 売電収入金額 13,600円×10年
自家消費量:200kWh × 電気代単価:31.52/kWh = 自家消費金額 6304円×10年
1kWの太陽光発電設備 < 199,040円=(136,000 + 63,040)
この金額を下回れば、10年間で元が取れる計算です。
(実際には太陽光発電の劣化や地域によって光熱費単価や発電量が異なります。)
※電気代単価は東京電力スマートライフL(昼間の単価)の場合
燃料費調整額 2022年4月 2.27円/kWh、再エネ賦課金 2022年度 3.45円/kWhを含む
このように単純計算ですが、おおよその計算はできます。
元を取ったあとは、太陽光発電設備が壊れるまで売電を続ければ、大きな収入になります。
実際に購入をする前にこう言った計算をしておくことがとても大事です。
これは単純計算なので厳密に計算をすると、現在上昇している計算では、燃料費調整額や再エネ賦課金を使ってますが、詳しくは以下記事も参照ください。
太陽光発電設備の金額はいくらぐらい?
こちらは住宅メーカーによって、さまざまなので比較してみるのがいいと思います。
新築の平均金額は 調達価格等算定委員会(令和4年2月4日(金))の調査では以下のとおり
2021 年設置の平均値は 28.0万円/kW(中央値 28.4 万円/kW)
調達価格等算定委員会 令和4年2月4日(金)
あくまでも平均なので、実際の価格は住宅メーカーに確認した方がいいと思います。
先ほどの計算では1kWで10年間で約20万円でしたが、この金額だと固定買取期間10年で元を取るのは難しいかもしれないので、もう少し長い目で見る必要ありそうです。
まとめ
この記事では、これから住宅を購入するときにソーラーをつけた方がいいのかどうか解説しました。実際には住宅メーカーなどに見積もりを聞いて、精度のいい計算して頂いた方がいいと思いますが、太陽光発電のメリットの考え方の参考になれば幸いです。
コメント