以前、書いた電化上手の料金プラン改定の記事を投稿して以降、検索がとても多くなったので気になったのですが、どうやら東京電力から電化上手に加入されている方へお手紙が届いているようです。東京電力の電化上手プランについては以前書いた以下の記事を参照ください。
現在、様々な情報が出回っており、中には「電化上手が終了する」といったことが書かれていたりしますが、はっきりといえるのは「2022年10月時点では電化上手はなくならない」ということなので、正しい情報を見極めて、以前も書きましたが慎重に判断をして下さい。一度電化上手の契約をやめてしまうと二度と契約できなくなります。
前回の記事では、電化上手は価格が改定され、夜間の料金単価が高くなるが、東京電力エリアの他の料金プランと比べても電化上手から乗り換えるべきプランはないと書きましたが、この記事では、実際に電化上手と他の新電力の電力料金プランを比較し、電化上手よりもお得なプランがあるのか検証したいと思います。
東京電力の電化上手プランについて
以前の記事でも書きましたが、オール電化プランというのは、時間帯により、電気料金の単価が異なり、基本的には最も安い夜間時間帯に多く電気を使用することが前提となります。以下は改定前の電化上手プランの時間帯別の単価です。
電化上手と他の電気料金プラン比較
比較対象はオール電化プランになり、一般的なガス併用プランは扱いません。想定としては、自宅にソーラーなどの発電設備はないものとして考えています。(あったとしても同じかもしれませんが)また料金単価を記載しますが、実際の単価と異なる可能性がありますので、各社のホームページなどをご確認下さい。※下記記載以外の各電力会社のセット割引や他のサービスなどは考慮していません。
電力会社 | プラン | 基本料金 | 夜間 | 朝/晩 | 昼間 | 他 |
東京電力 | 電化上手 (22年10月以降) | 2200円 | 15.12円/kWh | 25.94円/kWh | 夏季 :34.16円/kWh その他季 :30.67円/kWh | 全電化住宅割引5% (上限2200円) |
東京電力 | スマートライフL | 2288円 | 17.78円/kWh | – | 25.80円/kWh | – |
Looopでんき | スマートタイムプラン【料金改定予定】 2022/8/1からの 料金単価 | 0円 | 23.80円/kWh | 春/秋 30.80円/kWh 夏/冬平日 30.80円/kWh | 春/秋 20.80円/kWh 夏/冬平日 40.80円/kWh 夏/冬休日 30.80円/kWh | 22/6/29時点 新規受付を停止中 |
出光興産 | シェル オール電化プラン | 2200円 | 17.78円/kWh | – | 25.80円/kWh | – |
HISでんき | ぜんぶでんき | 2288円 | 17.78円/kWh | – | 25.28円/kWh | – |
主なオール電化向けプランを提供している電力会社をラインナップしました。東京電力では、「電化上手」に代わりとして「スマートライフL」プランが現在新規申し込み出来るプランになっていますが、2022年10月からの価格改定後の電化上手と比べてもオール電化住宅にとって最も重要な夜間の単価が高いということがわかります。また、表には記載していませんが、夜間時間帯は短く設定されていて1時~6時の5時間のみでそれ以外は昼間時間帯となります。(電化上手の場合は23時~7時までの8時間)
新電力は、おそらく東京電力の「スマートライフL」に対して対抗したプランを打ち出しており、それよりも少しお得になるような価格設定になっています。ここにあげた会社以外にもいくつかオール電化向けプランを提供している新電力はありますが、どれも似たような形なので割愛してます。「スマートライフL」と同様に夜間時間帯が短く、高いので選択から外れます。
唯一、他と異なるのがLooopでんきの「スマートタイムプラン」です。他の電力会社は基本料金を当たり前のようにとっている中で基本料金がゼロ円を打ち出していて、電気を使った分しかかからないという特徴を持っています。夜間時間帯が高く、春/秋の昼間時間帯が安く設定されており、他のプランと真逆になっています。Looopでんきという会社は再生可能エネルギーに力を入れており、自ら発電も行っており、春/秋の昼間の需給バランスを調整するために安く設定しているのだと思います。(要するにもっと発電で作った電気を使ってもらおうとしているということ)
Looopでんきの基本料金ゼロ円は一見とてもひかれますが、電化上手も唯一「全電化住宅割引」があります。こちらは月の電力量料金の5%(上限は2200円、一部期間の使用電力は除く)を割引されます。これがあるので、最大基本料金分は値引きされ、月々の光熱費はぐっと安く抑えることができます。Looopでんきのプランも条件によっては安い場合があるかもしれませんが、季節や曜日によって電気の使い方を大きく変えないといけないので使いこなしが難しそうな印象です。
【注意】Looopでんきは現在、新規受付を停止しスマートタイムプランは2022/8/1料金改定予定です。こちらリンクからご確認できます。
最新情報はこちらもご覧ください
以上より、筆者の見解では、2022年10月時点では、電化上手で契約されている方は継続していただくのがおすすめと考えます。
今後、新しいオール電化住宅向けプランが登場する可能性がありますが、新電力が電化上手に対抗するメリットは低いので、優位性は変わらないのではないかと思います。
まとめ
この記事では、東京電力の電化上手に変わるよりお得なプランはないか検証しました。「夜間時間帯の単価の安さ」と「全電化住宅割引」があるので、引き続き電化上手を契約することがよいと筆者は考えます。
もし不安に感じる場合は実際に検針票などから計算をして比較をしてみるとよいと思います。検針票には、夜間時間帯・昼間時間帯など時間帯別でどのぐらい電気を使ったかわかります。ただし、冬場、夏場の電気の使い方が変わるため、やるのであれば、1カ月ではなく、1年間通して計算してみることが大事です。また、夜間時間帯の範囲(何時~何時まで)はプランによって異なりますので、そこもご注意ください。HEMSなど電力を見える化する装置があればもう少し計算しやすいかもしれません。
最後に何度も言いますが、一度、電化上手を解約すると二度と契約できなくなりますので、慎重に判断しましょう。この記事がその参考になれば幸いです。
コメント