2023年6月 電化上手がさらに値上げ、乗り換えを考えるべき?

東京電力の規制料金の値上げ申請が大きな話題となっています。規制料金だけではなく、オール電化向けの自由料金のプラン「電化上手」に関しても昨年の10月に引き続き、再度値上げになる見込みです。

値上げ後どう変わるのか、電化上手のままの契約でいいのか、筆者の視点で見ていきたいと思います。料金の値上げが発表されて、気になっている方の参考になれば幸いです。

目次

東京電力の値上げ申請について

値上げ申請とは?

東京電力は2023年1月23日に規制料金の値上げ申請を発表しました。規制料金の値上げは東京電力が勝手に上げることはできず、経済産業大臣の認可が必要なため、「申請」と言う表現になっていますが、多少の内容の変更があるかもしれませんが、値上げになる可能性は非常に高いです。

どのぐらい値上げする?

東京電力の発表によると今回の値上げは、規制料金は平均29.31%の値上げを申請しています。また低圧自由料金の方も平均5.28%の値上げが申請されています。

規制料金と自由料金の違いについて

ここで規制料金と自由料金の違いについて説明します。

規制料金は、基本料金や電力量料金の設定が国によって細かく定められている料金であります。代表例としては「従量電灯」という名称で大手電力会社で取り扱っています。

規制料金は、電力会社が勝手に料金を変えられないようになっていて、料金のなかには、「燃料費調整単価」という原油や液化天然ガスなどの価格により毎月変動する部分が含まれていますが、こちらも変動の上限値が決まっています。

自由料金は、その名の通り、規制料金に比べて電力会社が自由な料金プラン設定が可能になります。各プランの料金単価の変更が可能であったり、燃料費調整額の上限設定を設けないことが可能です。

東京電力の値上げ申請の理由と時期と値上げ額

値上げの理由

東京電力の公式発表によると、昨今の世界的な資源価格の高騰による影響で、これにかかる費用が収入を上回っている状態となっており、財務体質が年々悪化しているとのことのようです。

発電に必要な原油や液化天然ガスなどの価格の上昇に伴い、毎月の電気代に上乗せされる燃料費調整単価が変動していますが、

その単価が規制料金の上限値に達している状況でも採算が取れないことが一因となり、今回値上げ申請に踏み切ったようです。

値上げ時期

規制料金の値上げ申請が承認された場合には、2023年6月1日から値上げ後の料金になります。

ちなみに電化上手など一部の自由料金は昨年10月に値上げしたばかりでしたが、この度再度値上げになっています。詳しくは後述します。

値上げ額について

値上げ金額は、料金プラン毎に細かく設定されているので、詳しくはここには記載しませんので、気になる方は東京電力のホームページをご確認下さい。

電化上手への影響について

電化上手は昨年に10月に続き再度値上げ

電化上手は、2022年10月に値上げしましたが、今回の値上げ対象にも含まれています。

以前の記事でも紹介させていただきました。

あわせて読みたい
東京電力 電化上手が22年10月に改定、プランを乗り換えるべき? 2023年1月23日に東京電力より 規制料金の値上げ申請が発表になりました。以下の記事でその内容について詳しく記載しています。 (本記事は2022年10月の改定内容です。...

今回の電化上手の値上げ幅は規制料金のプランほど大きくはありませんが、再度値上げをされたことに加えて、燃料費調整額の高騰の影響(自由料金なので上限がない)もあり、利用する消費者にとっては影響は小さくないと思います。

電化上手の値上げ額について

東京電力が2023年1月23日に発表した「電化上手」の値上げ予定の料金について記載します。この金額は執筆時点のもので今後変更になる場合がございますので、最新情報は東京電力のホームページをご確認ください。

「電化上手」新料金と現行料金の比較グラフ

「電化上手」新料金と現行料金の比較表

時間帯現行料金見直し後料金現行-見直し後
差分
ピーク時間夏季47.15円49.12円+1.97円
その他季43.66円45.63円+1.97円
オフピーク時間
(朝・夕)
38.93円40.90円+1.97円
夜間時間28.11円31.80円+3.69円

ちなみにこの料金には、「燃料費調整額」という原油や液化天然ガスなどの価格により毎月変動する分も含んでおり、2023年1月の「燃料費調整額」が含まれており、全体的に単価が高くなっています。

電化上手の値上げのポイント

電化上手の値上げで一番見るべきポイントは

昼夜時間帯の単価差が縮まったこと」です。

電化上手は従来より夜間時間帯の単価が安く、昼間時間帯の単価が高く設定されており、できるだけ夜間時間帯に電気を使うことで電気代を安く抑えることが出来ます。

例えば、お湯を作るエコキュートは電気を多く使う住宅設備ですが、通常は夜のうちに沸かしておきます。

今回の値上げでは、夜間時間の新旧の単価差が「+3.69円」となるため、昼間のピーク時間、オフピーク時間の値上げ幅と比べて2倍近く上がるため、これまで夜間に電気を多く使って暮らしていた場合には、影響が大きです。

電化上手から乗り換えた方がいい?

電化上手を契約している方の他の料金プランの選択肢

元々、電化上手で契約されていた方は、オール電化住宅にお住まいの方がほとんどだと思いますが、オール電化向けのプランの選択肢はそれほど多くはありません。

また電化上手は既に新規加入受付を終了しており、一度解約すると二度と電化上手で契約はできません。安易に契約を変えるのは、筆者はおすすめしません。

電化上手の代わりに、現在新規で加入できるオール電化向けのプランは「スマートライフL」があります。

値上げ後のスマートライフLの料金体系

値上げ後の新しいスマートライフLの料金体系(10kVA契約)は以下のようになっています。1:00〜6:00の時間帯がが電化上手でいうところの夜間時間帯に相当しますが、昼間時間帯はピーク、オフピークのように別れておらず、年中同じ単価になっています。

「スマートライフL」新料金と現行料金の比較グラフ

「スマートライフL」新料金

料金スマートライフL
電力量料金
6:00~1:0040.76円/kWh
1:00~6:0030.81円/kWh
基本料金(10kVAの場合)2,860円

参考までに値上げ後の電化上手の料金体系(10kVA契約)も載せておきます。

料金電化上手
電力量料金ピーク時間帯
(10:00~17:00)
夏季49.12円
その他季45.63円
オフピーク時間帯
(朝:7:00~10:00 夕:17:00~23:00)
40.90円
夜間時間帯
(23:00~7:00)
31.80円
基本料金
(10kVA契約の場合)
2,200円
全電化住宅割引5%
(上限2,200円)

この2つの料金プランで見るべきポイントは大きく3つあると思います。

比較ポイント

  • 電力量料金の比較
  • 基本料金の比較
  • 割引料金の比較

電力量料金の比較

電化上手とスマートライフLの電力量料金を見比べてみると、新しい料金設定では1:00〜6:00の間は若干スマートライフLの方が安いです。

しかし、電化上手は夜間時間帯が23:00~7:00までの8時間に対して、スマートライフLは1:00~6:00の5時間というところに着目する必要があります。スマートライフLは低価格な時間帯がとても短くなっています。

夜間時間帯以外の昼間の料金に関しては、スマートライフLの方が安くなっています。

基本料金の比較

基本料金に関しては、今回は特に変更がありませんでした。スマートライフLは上記は10kVAでの比較で示していますが、実際には契約容量(1kVA毎)によって金額が変わります。一方で電化上手は7~10kVA迄が同一料金(2,200円)になっています。(6kVA以下の場合は1,320円)

実際の契約容量によってどちらが良いか変わってくると思いますが、単純に10kVAで見たときには電化上手の方が安くなっています。基本料金は使用電力量に関わらず毎月一定金額かかってきますので、こちらの差も考慮する必要があります。

割引料金の比較

割引料金に関しても特に変更はありませんでした。電化上手では「全電化住宅割引」が引き続き適用されます。この割引がとても大きいです。

詳細割愛しますが、電力使用量に応じて毎月最大2,200円割引されるので、基本料金に相当する金額が値引きされます。スマートライフLには全電化住宅割引はありませんので、電化上手を契約している方の特権とも言えます。

比較まとめ

基本料金の契約容量や電気をどの程度、どの時間帯で使っているかによって良し悪しが変わってくるため、断言はできませんが、全電化住宅割引があるのは現状、電化上手だけです。最初にも言いましたが、一度、電化上手を解約してしまうと二度と戻れないので、慎重に考える必要があります。

これまでの検針票などを見直してみて、上のポイント見て、どちらが良いか計算して考えてみると良いと思います。

【電気代高騰への対策】ソーラー住宅は「蓄電池」の導入検討を

電化上手を契約されている方は、建築時にソーラーを設置された方もいるかと思います。

ソーラーが10kW以下の場合、10年間の固定価格買取期間が終了すると買取単価が大きく低下します。(10kW以上の場合は20年間)

固定価格買取期間が終了すると売電価格は一般的に大きく下がります。

ソーラーで発電した電気は固定価格買取期間が終了した後にも継続して使用できるので、出来るだけかしこく自宅で使うことを考えていくことが電気代節約につながります。

更に蓄電池があれば、ーラーが発電している時間帯だけでなく、昼間のうちに充電しておき、夜に放電することで電気を出来るだけ買わずに暮らすことが出来ます。

今回の値上げのように電気代高騰の影響は今後も続く可能性があります。こんな時に電気代節約も可能であり、自宅が停電した時の備えにもつながる蓄電池の導入を是非、一度検討してみてはいかがでしょうか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2022年1月からブログ執筆開始。
普段は、メーカー系の会社で新商品企画の仕事をしています。
新しいモノ、サービス全般に関心が高い。
現在子育て中。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次